グルコサミンは効かない!

「グルコサミンは効かない 」     
某週刊誌の見出しです。全くその通り。
私も以前から同意見です。(まだ、この記事の内容は読んでいませんが・・・)

この見出しのあとに続く言葉が、傑作です。
「増毛のために、髪の毛を食べるようなもの」
まさしくその通り、説得力のあるフレーズに感動すら覚えます。

グルコサミン、ヒアルロン酸、コンドロイチン・・良く耳にするこれらの成分、
いずれも関節や軟骨などに存在する成分です。
これらを服用したとしても、
すべて分解されて吸収されるので、膝関節の症状に効果を示すことはまず無いでしょう。

軟骨(成分)を食べても関節の疾患は治癒しない。
「髪の毛を食べても増毛しない。」ということです。


こんなCM、毎日見ますよね。
○○○は軟骨の健康に欠かせない成分です。
今回の「×××」はその○○○を特殊な製法で抽出に成功。何千㎎配合しました。
だから、90%以上の人が実感されているのです。(アンケート調査)


最後には、お決まりの・・・
「個人の感想です。効果の実感には個人差があります。」

なぜ、規制されないのでしょうか?
誰もが知っている、大企業や製薬会社からも出されています。
栄養補助食品という規制のすき間をぬって商業的に成り立っているようです。

がんセンターの所長の先生が、先日述べておられました。
「がんが消えた。」と書かれている。
「個人の感想」が書かれている。
これらは怪しいと思ってください、とのことでした。

皆さん、
「個人の感想」には気をつけましょう。

ピロリ菌と胃がん。C型肝炎と肝がん。密接な関係あり。

著名人の方ががんになったとか、中には残念にも亡くなられたとか、がんに関する報道に接する機会も多いこの頃です。
それだけ、がんが重大な疾患であることの証でもあります。
その、がんの治療・研究も年々進歩してきています。

肝臓がん
C型肝炎が肝臓がんの原因になってくることは以前から知られています。
C型肝炎は、C型肝炎ウイルスの除去が根本的な治療になるのですが。
当初はインターフェロンの注射による治療法でした。毎日注射して、高熱を発生することも多く入院が必要なこともあり負担の大きな治療でした。しかも、大変な苦労をして効果がでる人は2~3割程度でした。
現在、その治療は進歩してきて、大半の方のC型肝炎ウイルスの除去治療が服薬で出来るようになってきました。
私の大学病院勤務時代の当初は、C型肝炎という名称すらまだなく、A型でもなくB型でもない不明の肝炎と言うことで、ノンAノンB肝炎と呼ばれいたことを思うと隔世の感があります。

ピロリ菌と胃がんの関係。
ピロリ菌の保菌者の8%が胃がんを発症する。一方で、胃がんになった方の98%はピロリ菌の保菌者だったとも言われています。
別の日本での報告で、約2800名を8年間、追跡した研究からピロリ菌感染者からは36名(2.9%)の胃がん患者が発生したが、ピロリ菌非感染者からは1例も発生しなかったとされているデータもあるようです。
ピロリ菌の除菌は1週間程度薬を飲むだけで良く、なんの苦痛もありませんでした。(個人の感想です!)
高齢の方ほどピロリ菌の保菌率は高いようです。
是非、一度ピロリ菌の有無をかかりつけの内科等で確認されて、対策されることをお勧めします。



歯垢、歯石・・,どう違うの?

歯垢歯石、共に良く耳にする言葉ですね。
さて、その違いご存じでしょうか。

歯垢はプラークとも言います。
歯の間や、生え際を爪楊枝で引っかくと、白くてネバネバしたもの取れることがあると思います。
これが歯垢(プラーク)です。
歯垢は食べカスとか、歯の垢(あか)ではなく、細菌のかたまり100%です。

口の中の細菌には、粘着性の物質を出し集合体(コロニー)を作る性質を持つものがあります。
その中に他の種類の細菌も居候して集まった多数の種類の細菌の塊です。
僅か1mgの中に、約300種類、数億~10億個もの細菌が棲んでいると言われています。

歯周病、そして虫歯も、その原因はすべてこの細菌によるものです。 

歯石は、この歯垢が、唾液の中のカルシウムなどのミネラルと結合して硬くなったものです。  歯石になると歯ブラシでは取り除くことができません。 放置すると歯石はどんどん硬くなり、蓄積していきます。歯石の表面はざらざらしていて、歯垢が付きやすいのです。

この歯垢と歯石の連合体が、歯周病の原因となり、さらには動脈硬化、心疾患、糖尿病、など全身疾患の原因にもなってくるのです。

歯周病の罹患率は、20歳代でも約7割、
            30~50歳代は約8割、
               60歳代は約9割と言われています。
 
 何の対策も無しに、歯周病と無縁という人はまずおられないのではないでしょうか。

歯周病の原因は、この歯垢と歯石です。

これらが停滞しない状態を作れば、歯周病の症状は無くなります。
歯垢を取り除くには丁寧なブラッシング、
歯石を取り除くには定期的な歯周のメンテナンス


この2つがとても大切です。

小さい虫歯の治療-材料はプラスチックと金属どちらがよいですか?

歯の詰め物をするとき、金属は避けたい。
詰め物は歯の色にと希望されるのは自然のことと思います。
金属は使用期間が長くなると、黒っぽく変色してくるので余計に気になりますよね。

現時点での私の見解は・・・

前歯はほとんどの場合、部分的な修復ならばプラスチック(レジン)でOKです。
変色はしてきますが、結構もちます。

小臼歯や大臼歯の場合
咬み合う面(咬合面)まで含まない、歯の横の面(歯頚部等)であればプラスチック(レジン)で充分OKです。
咬み合う面(咬合面)のみに限局した、面積の小さい部分。これもプラスチック(レジン)でOKです。

お勧めでないケース。
面積の広いケース。
そして咬合面と隣接面(歯の横、隣り合った面)にまたがるケース。

歯質(エナメル質、象牙質)と比較して、プラスチック(レジン)は柔軟性、弾性があります。
面積が広く、咬合力がかかるケースや隣接面を含むケースはお勧めできません。
繰り返し咬合力がかかるにつれて、内部で部分的にはずれて来ているのではと思っています。

この2つのケースでレジンで治療されているのを時々見ますが、
長期に維持されていると思われるケースを私はあまり知りません。これが最大の理由です。

そして、トラブルが生じたとき脱離してくれれば、発見も早く問題は少ないのですが、
内側からカリエスになっても脱離せず、進行してから発見されることが多いのが困った点です。

先日、「そりゃ咬んだら痛い・・・」との記事がありました。
読ませて頂くと「大きな金属インレーは残り少ない歯を歪ませようとする・・」とのことでした。
それならもっと大きな金属のアンレーは?、さらに大きな金属のクラウンは、どうなるのでしょうか?
読み進むと、自費治療のレジン充填をお勧めの記事でした。
この自費治療用の材料の成績はまだよく知りません。
私見ですが広い面積の症例には避けた方がよいのでは・・
(調査すると、この材料を扱っているのは1社のみ。他社開発担当は、様子見とのことでした。)

朝の六本木で、自転車に轢(ひ)かれる。

学会参加の翌日。
しずかな日曜の朝、六本木の街を歩いていました。
この先国立新美術館との案内標識をみながら、東京ミッドタウンの高層ビルを横目に、
久々にのんびりとした気分で歩いていました。

ふと耳をすますと、はるか後方から自転車の呼び鈴を連打する音が近づいてきています。
「チリチリチリーン、チリチリチリーン、チリチリチリーン・・」

振り返って見ると、
7~80m後方でしょうか、ママチャリ風の自転車がこちらに迫ってきています。
歩行者優先の歩道で自転車の警告音を鳴らして歩行者を排除するのは御法度のはず。
こんな輩(やから)が、この六本木にもいるのかと、変なところで感心しながら広くはない歩道の端によって歩いてました。

自転車は、絶え間なく呼び鈴を連打しながら後方に迫ってきています。
どうも、自転車の主はひさしの大きい帽子を目深に被った、思ったより若めの女性のようです。
「スミマセーン、チリチリチリーン」 
「スミマセーン、チリチリチリーン、チリチリチリーン、チリチリチリーン」
「スミマセーン」
チリチリチリーンとスミマセーンの連呼と共に近づいて来て、一瞬の間に私の右側を抜き去っていきました。

なんと、呼び鈴連打の主は白人のご婦人でした。

自転車呼び鈴連打=おばちゃん(もしくはオッチャン)という既定路線を完全に覆された私は、
呆気にとられながら、走り去っていく自転車の主を視線で見送っていました。
「さすが六本木・・・」根拠のないフレーズが、混乱したままの頭に渦巻いていました。
 
と、突然・・・
「ガシャーン」という爆音と共に、私の背後に衝撃が走りました。


我が身に、何が降りかかったのか判らないまま経過した時間は、数秒でしょうか・・
我に返ると、そこには子供用の自転車が、斜めになって止まっていました。
なんてことをするんだ、善良(かどうかはともかく)無実な歩行者に後方から不意打ちを食らわせるとは・・
早速非難するところですが・・・、

赤い自転車用のヘルメットを被った自転車の主は、5歳前後でしょうか、青い目をしたかわいらしい白人の女の子でした。
私と視線が合うと「すみませーん」と本当に申し訳なさそうにうつむいています。

こんな罪もない?女の子を非難するような非道はさすがに持ちあわせていません。
思わず息をのみ、声も出ませんでした。
無言の私を見て、おとがめがないと判断したのか、小さな彼女は再び出発していきました。

タイヤに轢かれた足の痛みと共に、ようやく状況がのみ込めてきました。

スミマセーンと呼び鈴連打の白人のご婦人はこの女の子の母親で、
それに遅れまいと必死においかけていた矢先の悲劇だったのでしょう。
この女の子にはなんの罪もありません。
そもそも、こんな小さな女の子を後方に置き去りにして暴走していくから、事故ったのではないか。
母親が悪い、と気がついて前方を見たときには・・・
母親の自転車は、もうとうてい声も届きそうにない、数十メートル先をチリンチリンと走り去っていました。

そういえば、女の子の「スミマセーン」、母親の「スミマセーン」とそっくりだったなあ、

初めてではないかも・・・・

久々に歩いた六本木。 なんともな朝でした。

セラッミックと保険の歯の違いはどうなの?

歯の治療をする場合、前歯か臼歯か、そして欠損部分の大きさや場所によって修復の仕方、材質の適否が違ってきます。
今回は歯をクラウンで被覆する場合に、金属の露出を避ける治療法の1つである前装冠についてお話します。

まず、前装冠とは・・・
 クラウンの構造に用いる材質には色々種類がありますが、
 その中で金属は強度と柔軟性、適合精度の点で依然としてすぐれた性質を持つ材料です。
 ただ、その色調に問題があるので、金属の表面に歯の色の材質をコーティングしたものを前装冠と呼びます。


 コーティングする材質には、プラスチック(硬質レジン)、ハイブリッド(通称)、セラミック等があります。
 その他ジルコニア等もありますが、まだ特殊なのでまたの機会にします。


 それぞれの材質の特徴は・・

硬質レジン 

費用   
 前歯の硬質レジン前装冠は基本的に保険でできます
審美性  
 色調は平面的(単一的?)で、セラミックのような透明感や色調は出せません。
 技工士さんの腕にもよりますが、装着当初はそこそこきれいな仕上がりです。
 着色
  個人差が大きいのですが、早い人は1ヶ月程度でも着色してきます。
  ただ変色とは違い、医院で研磨等によって着色はかなり除去できます。
 変色 
  陶器のお皿は何年たっても変色しません。一方プラスチックのお皿は徐々に色が変わってきますね。
  これと同じです。
  どのくらいで色が変わってきますか?と言う質問をよく受けますが、
  どの時点という区切りはなく、徐々に変色してきます。
強度   
  咬合等の関係もありますが、ある日突然欠けるということはありえます。
  特に咬合力が強くかかる人や、奥歯が欠損したままの方は要注意です。
耐摩耗性
  歯磨き粉を多めに着ける方は要注意です。
  削れて内側の金属が露出する場合があります。
     

セラミック(メタルボンド)

費用
  自費の治療になります。
  1本数万円~。10万円を超える設定をされている所も・・

審美性
  ご自身の歯を鏡で見られたことがあるでしょうか。
  歯の場所によって微妙な色の差があります。同じ1本の歯でも先端部分、根本の部分で色は違います。
  これを再現するには、
  Drの経験と技術、そして担当技工士さんの腕が必要です。
  同じセラミックの歯でも人工物とすぐ判るものと、天然歯と見分けが付かないもの、
  製品の仕上がりの差は小さくありません。

 着色
  着色はほとんどゼロです。これは年数がたっても変わりません。
  セラミックの部分には歯垢もほとんど着きません。
 変色
  これも陶器のお皿でも分かりますように、原則変色はしません。

強度
  かなりの強度があるのですが、破折することもたまにあります。

耐摩耗性
  摩耗することはほとんどありません


ハイブリッド 
 ベースは硬質レジンですが、含有成分の量を調整してその性質がセラミックに近くなったものです。
 (エステニアは商品名です)


費用
  自費の治療になります。
  1本数万円~ セラミックよりも若干安く設定をされていると思います。

審美性
  色調等は硬質レジンとほぼ同等です。
 着色
  硬質レジン程ではありませんが、着色はあります。

 変色
  4~5年程度では大きな変色はないとされています。
  この点が硬質レジンと大きく違うところです。
強度
  硬質レジンよりは強度があるので、臼歯の噛み合わせの部分にも適用可能です。
  咬合力の強くかかる(歯ぎしり等)方の場合、端から一部欠けてきたりされていることはあります。

耐摩耗性
  臼歯に使用した場合、年数が積み重なると咬合面が摩耗してくる場合があります。


例えば・・・
前歯なので、さすがに金属は困るけど着色なんて気にしない。    →硬質レジン

前歯は一番人目に触れるので、できるだけ天然歯に近くしたい。   →セラミック

大臼歯も歯の色にしたいけど、できるだけ安く。              →ハイブリッド

大臼歯も摩耗するのは気になるし、一番良いものにしたい。      →セラミック

 いずれにしても人それぞれですね! お好みで・・・・

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抜歯しましょうといわれました。残せませんか?

抜歯せざるを得ないケース。 どんな場合でしょうか・・・
各項目の詳細については、また機会をみて述べていきたいと思っています。

①歯周病の進行による動揺の大きくなった歯
歯を失う最大の原因は歯周病でしょう。
歯周病の進行具合における抜歯の判断基準は各Drによって、まさに様々です。

著名な歯周病の専門の先生の講習で、
「望みのない歯は早期に見切りを付け、残りの歯を徹底して残していきます。」というお話を聞き驚いたことがありました。
専門家が冷静になって考えると、なるほどと納得できるお話なのですが・・・
一本の歯にも愛着を感じられ、残すことを切望されている患者さんにとっては、なかなか受け入れがたい話かもしれません。

大学病院勤務の頃、どこまでの症状の歯が残せるか、なかば挑戦していたような時期がありました・・・
抜歯の是非の判断は、
その歯だけでなく他の残存歯の状況、全身の状態、そして患者さんのモチベーションにより大きく左右されてきます。
まさに、これもケースバイケースです。

一つ確かなのは、歯根の尖端まで歯槽骨が無くなっている場合
どんな方法をもってしても保存は難しいということです。
そして、そのような歯をあえて温存することは、隣在歯の歯槽骨をも失う可能性があるのでお勧めしません。

②歯根の破折
歯周病と並んで抜歯の原因として多いかもしれません。
根っこの先近くまで、縦に割れている場合はまず難しいです。

③虫歯、カリエス
意外かもしれませんが、実はかなり重症な虫歯でも、抜歯せずに治療できる場合が多いです。
歯根の部分に破折等が無く健在であれば、抜歯せずに治療できる可能性は案外高いものです。

④根尖病巣
「根っこ(歯根)の先に大きな膿の袋があり、抜歯です」と言われた。
よくあるケースです。
歯周病で動揺がひどくなったりするとご自身でも納得できるのですが、自覚症状が無い場合等はなおさら承服出来ません。
この根尖病巣、難治性や、腫瘍が原因の場合も中にはあるのですが・・
実際治療してみると、治っていく歯もかなりあります。
御本人の希望もありますが、「治療せずに抜歯・・」はもったいない気がします。

⑤矯正
歯並びが悪くなるのは、顎の大きさに対して、歯の横幅の合計が大きく、並びきれていないことが多いのです。
これを矯正してきれいに並べるためにはスペースがいるので、
抜歯して歯の総数(歯の横幅の合計)を小さくする必要が出てきます。
これを便宜抜歯といいます。

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「被ばく 体内に総量36万ベクレルか 原子力機構事故 毎日新聞 6月8日」   歯科のX線検査の被爆は?

 日本原子力研究開発機構のセンターで放射性物質が飛散して作業員5人が被ばくされたとの報道でした。
この数値は1年間で1.2シーベルトの被爆に相当するとのことで、少なくない量の被爆で今後の経過が心配されます。

 最近よく耳にする放射線に関係する単位、ベクレルグレイシーベルト・・・
簡単にまとめてみました。
ベクレルグレイは物理的な放射線の強さを表すのに対して、
シーベルトは人体への影響の程度を数値化したものです。
放射線の種類によって身体への影響は異なりますし、受ける場所、臓器によってもその影響の程度は異なります。

Bq(ベクレル)    :放射能量(1秒間に崩壊して放射線を放出する原子核の数)
Gy(グレイ)     :吸収線量(1kgの物体に1ジュール吸収される放射線のエネルギー)
Sv(シーベルト)  :線量当量(吸収線量から生物学的影響への換算値)
シーベルト=[各組織のグレイの値×放射線加重係数(放射線の種類による影響の違い)×組織加重係数
            (組織ごとの影響の受けやすさを係数にしたもの)] を全身すべての組織で合計したもの。

 地球上どこでも自然界に元々存在している放射線があり、それを自然放射線と言います。
世界の平均自然放射線は年間2.4mSv(ミリシーベルト、ミリは1000分の1)ですが、地域によって異なり、最も高い所ではブラジル・カラパリ市等の年間10 mSv。
また高度(標高)によっても異なり、高いところほどその値は高くなる傾向にあります。
例えば飛行機で東京 ⇄ ニューヨークを1往復すると0.2mSv被爆するとされています。

例に挙げた、ブラジル等の自然放射線の高い地域でも癌等の発生率が他の地域に比較して高いというデータは無いようです。

  一方、一般の方が医療で被爆を心配されるのは主にレントゲン検査によるものでしょう。
胃バリウム検査 15-25mSv
腹部CT検査   7-8mSv
頭部CT検査   2mSv
胸部X線検診  0.05mSv

歯科関係では・・
歯科CT検査  (1枚)0.1mSv  (通常、何枚か撮ることになりますが・・・)
歯科パノラマX線(1枚)0.01mSv ( パノラマ 縦横15×30㎝程度のフィルム)
歯科デンタルX線(1枚)0.01mSv ( デンタル 縦横3×4㎝程度のフィルム)
最近はデジタル化されているところも多くなっていますが、被曝量は同程度でしょうか。

いずれにしても、歯科の放射線検査による被爆は医科や、自然放射線と比べてもそれほど高くはないようです。
不必要な検査や被爆は勿論避けるべきですが、歯科でのX線検査は有効な情報が得られることが多いので、
過度に心配はされなくても良いかと思います。

「詰め物・かぶせ物は10年もたない? 治療で歯を失い続けてきた日本人 」ヨミドクター(2017/6/2)

「詰め物・かぶせ物は10年もたない? 治療で歯を失い続けてきた日本人 」
                        ヨミドクター(2017/6/2)

この表題をみて、皆さんはどんなことを感じられますか。

まず、表題の前半を読んで、
ご自分の個々の歯の治療時期を思い出し、10年は経過しているけど大丈夫だろうか?
と思われた方もおられるのではないでしょうか。一応この表題には最後に「?」が付けられていますが・・

さて問題は、この表題の後半です。
「 治療で歯を失い続けてきた日本人 」 これには、怒りさえ覚えます。
これは、どう読んでも治療をすることによって歯を失っていますよ・・という意味になりますよね。
ならば、治療をしない方が良いのか? そんなことは無いですよね。

ところが・・
そのまま鵜呑みにしてしまう読者もおられるのです。
過去にも似たような報道があったのでしょう・・・
笑い話のようですが、
実際治療に来られていた患者さんで、「治療をしないほうが歯を失わずに済むという報告がある」と力説する方が、
治療に来られていて
大変困ったことがありました。
この方は、奇特にも治療に来られたからまだ良かったのですが、
「こう書かれていたから、私は治療には行かない」とする方が、少なからずいらっしゃるのではないでしょうか。

実際この記事の中身を読んでいくと 、「治療よりも予防に重点をおきましょう」という至って自然な内容なのですが。
その表題に、こう書いてはいけないでしょう。

読者は、著者は訴えたいことをそのまま表題に表現していると思いがちですが・・・
とくに商業ベースの著作物では、いかにして注意を引いて立ち止まってもらえるかに重点がおかれるようです。
でも、記事の内容に誤解を生ずるような表現はアウトではないでしょうか。
この記事を書いたライターと、その掲載を認めた上司の良識を疑います。


歯の治療は基本的に、自動車の部品のように何年たったら定期的に交換しないといけないという考え方はあまりしません。
ただし定期的なチェックは大切です。

虫歯の原因は歯垢です。
虫歯は、基本的に歯垢の停滞する箇所に出来ます。
虫歯ができた所は、お口の中で基本的に歯垢が停滞しやすい箇所(磨き方、歯並び等・・)であったといえます。
そして、進歩してきたとはいえ人工物の表面、天然歯と人工物の境界の段差とか、
健全な天然歯の表面の平滑さと比較すると、歯垢はやはり停滞しやすくなります。

 虫歯で治療した箇所には、その後より注意してブラッシング等のケアに努められている方は、
 たとえ10年以上経過していても、過度の心配は無用です。
 
 逆に治療済みだからと、従来通りそのまま放置していると数年も待たずに再発するという可能性もない話ではありません。





洗口剤、マウスウォシュはどうですか?      歯周病  清掃ケア

歯周病の原因は細菌=歯垢、歯石です。これをしっかりと除去するのが最も有効な歯周病対策です。
その基本はブラッシング、そしてスケーリング等により機械的にプラークや歯石を定期的に除去(メンテナンス)することです。


洗口剤
クロルヘキシジンや塩化ベンゼトニウム等の殺菌剤による洗口はポケットの深部までは作用しないとされているものの、歯周病への一定の効果が認められており海外でも評価されています。

実は個人的には、歯周ポケットの中まで効くわけではないということで、これまで積極的には勧めていませんでした

ある患者さん、来院された時点で歯周病が中等度以上進行していました。
その後、熱心にブラッシングに努められ、メンテナンスも継続して来院されているのですが・・
いつまでたっても歯周ポケットの深い部分の改善がみられないで悩んでいました。
セルフケアが十分でない患者さんの症状が改善しないのはなんとも致し方がない面があるのですが、
いつも丁寧にブラッシングされメンテナンスにも来られている患者さんの症状が改善しないのは歯科医としても辛いところです。
 
その後、洗口剤(塩化ベンゼトニウム含有)を併用してみようと処方し始めたところ・・
それまで変化がなかった歯周ポケットが徐々に浅くなりはじめ、歯肉が締まってきたのです。
失われた歯槽骨レベルはそのままですが、歯周ポケットは劇的に浅くなり、その後の歯槽骨のレベルも安定しています。
この効果には正直驚きました。
それからは、同様のケースには処方するようにしているのですが、もちろん効果のある人、あまり変わらない人それぞれおられます。が、ひとつ共通しているのは、多くの患者さんが自身の口腔内の状態の変化を自覚され、継続使用を自ら希望されるということです。(ただし、これは保険治療用の医薬品なので症状のある方、処方の必要のあると認められる方にしか使えません。)

 同等以上の効果が期待されると海外の文献でも述べられているクロルヘキシジン含有の洗口剤が日本でも市販されているのでこれを使うのもよいかもしれません。
一つ残念なのは、その効果が述べられている濃度は0.1~0.2%であるのに対して、日本国内では原液濃度が0.05%以下に規制されており、実際の推奨使用濃度は0.01%程度とのことなので、その効果は限定的かもしれません。

その他の、数多くある洗口剤、マウスウォシュ等、商品名を挙げればきりがありません。
そして、その殺菌成分の種類や濃度等はおそらく低く規制されており、効果はあまり期待できないのではと思っています。

ただし、
歯周病対策の一番の根幹はブラッシング、
そしてスケーリング等により機械的にプラークや歯石を定期的に除去(メンテナンス)することに変わりは有りませんのでお忘れないよう。

「インプラントがあれば、これからは学生に有床義歯(入れ歯)の講義をしなくてもよくなる・・・」???

以前(と言っても10年近く前?)、
国公立大学歯学部の補綴科の若手教授が講演で発言してました。
あまりにもセンセーショナル(物議を醸す?)な発言だったのでいまだに覚えています。

インプラント治療は症例を選べば、勿論有効な治療法ですが・・、
あくまで選択肢の一つです。
現時点では、歯科の欠損補綴分野において、他の治療をオーバーラップする(学生に義歯のの講義をする必要がなくなるような)
唯一・最良の治療までではないと思います。

インプラントに関して巷には情報があふれています。
「すばらしい、画期的な治療法」から「危険な治療なので避けたほうが無難」まで。
はたして真相は・・・。

私の見解は、「現時点では状況で、どちらもあり得る」です。

インプラントを選択するにしても、しないにしても。
Drの見解を聞き、納得した上で治療を進めていくべきでしょう。
症例によって適否がありますし、
Drによってもその見解は異なるでしょう。

歯科を受診して、インプラントの話題になる時。
例えば・・
パターン①
インプラントの予備知識があり、自身も希望している
他の治療法を認識または説明を受けた上で、Drもインプラントを勧めている
→この場合は、予算があえばOKでしょう。

パターン②
インプラントの選択は考えていなかった。
他の治療法の説明は無くインプラントしかできないとされるが、
自身は納得できていない
→この場合は、是非セカンドオピニオン(他の医療機関の意見)を聞かれて下さい。
それができない雰囲気であればこのまま治療を進めていくのは難しいでしょうね。

ウォーターピックはどうですか? 

たまに質問があります。

結論から述べますと、以前から水流では歯垢は除去できないとされています

流行が下火になってきたのか、メーカーの商品サイトは今回確認できませんでしたが
当時の商品の説明には歯垢を除去できるとの記載は無いはずです。
「歯垢の原因となる食物残渣等を有効に除去する 」等々、表現に苦心されています。

エアー式?の製品もあるようですが。
とある製品の説明を見ると「歯間にたまった歯垢を除去します。」と書かれています。
すなわち、歯と歯の間にたまった歯垢を除去するということで、
歯面に付着した歯垢まで除去するとは言ってないようです。

歯並びが気になる・・続き。   歯並び 審美歯科

補綴による歯列修正も歯並びの治療の一つになります。
個々の歯を補綴して、形、大きさ、配列などを補正する治療方法です。

ここで、 歯科治療における補綴(ほてつ)とは、歯が欠けたり、無くなった場合に歯冠の全部または大部分をクラウンや入れ歯などの人工物で補うことをいいます。
一方保存(修復)治療とは、う蝕などによって一部分欠損した歯の欠損部を人工物で修復することです。
まとめると、元の歯冠の形を部分的に残してその一部を補修するのが保存治療。
歯冠の形全体を人工物で補うのが補綴治療。このとき、歯根も含めて歯が完全に無くなった部分を補うのも補綴になります。


前歯の前突、捻転を気にされているケースです。
虫歯もあり、既に神経の治療がされていました。
前歯001a

神経を治療した歯は破折のリスクが高いので、原則として補綴して歯を保護することが望ましいとされています。
前歯2本を補綴することによって。歯並びを修正できました。
前歯001b

前回お話した矯正治療の留意事項①~⑥に対して
①→ 歯の表面にバンドやブラケットを付けなくて済みます。
②→ 治療は状況によりますが数回で終わります。
③→ 抜歯は必要ありませんでした。。
④→ 費用は状況により変わりますが、保険外の場合でも1本10万はかかりません。
⑤→ 歯周病の方も、歯を固定できるので歯の動揺を増すリスクはむしろ小さくなります。
⑥→ 固定装置をつける必要もありません。

このような場合は、矯正よりも補綴により歯並びを治療したほうがメリットは大きいと思います。

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歯並びが気になる・・・・  審美歯科 歯科矯正

歯並びに不整があると、審美的な点も勿論ですが、清掃不良になりやすくカリエスや歯周病悪化のリスクがあります。

歯並びの治療として、矯正は勿論ご存じかと思います。
歯並びが気になる方、歯科医院で説明を聞かれたことがある方であれば、
矯正治療に関して、次のうちの幾つかはすでにご存じなのではないでしょうか

① 歯の表面にバンドやブラケットという装置を付ける(場合が多い)。

② この装置は少なくとも何ヶ月か以上付けたままである。

③ 歯を並べるスペースが不足する場合(このケースが多い)、抜歯してスペースを確保する。

④ 費用は○十万~かかる。

⑤ 歯周病の方は、歯の動揺を増すリスクがあり注意が必要。

⑥ どんな人でも歯並びは経年的に変化する。
  矯正して移動した歯は特に注意が必要(固定装置を半永続的に装着を勧められる場合も)

補綴(ほてつ)による歯列修正も歯並びの治療の一つに
歯並び、とくに歯列の大きな修正が必要な場合は前述の矯正が第一選択肢でしょう。
ただ、前歯の一部分が出ている、引っこんでいる等が気になるなど、部分的な歯並び不整が気になっている方で、
前記の矯正時の留意事項のうち幾つかが気になって決断できない方。

次の選択肢として補綴による歯列修正が適応できる場合があります。
ケースによっては、こちらの方がむしろ優先される場合もあります。

歯周病  歯磨剤の続き・・

塩で磨くのはどうですか・・?
塩が一時的に歯肉に来ても、はたしてそれで殺菌できるのか・・疑問です。
でも、マッサージ効果があるのでは・・・・

歯肉のマッサージ
前回お話しましたように、歯周病の原因は歯垢(=細菌)です。
マッサージして、血液の循環が良くなったとしても、歯垢が残っていれば・・・・?ですね。
「でも、歯ブラシでマッサージするようになって改善してきたよ 」
これはあるかもしれません。
歯頚部(歯の歯肉との境目部分)の歯垢がマッサージと同時に除去されきたということかもしれませんね。

歯周病対策。 歯磨剤

巷でよく耳にする「歯垢」とは細菌の集合体、塊です。プラークとも言います。
たまに誤解されていますが、食べ滓の集合ではありません。
この歯垢が硬くなったのが歯石です。
歯石になってしまうと、もう歯ブラシで落とすことができなくなります。

ここで大切な知識。
歯周病は、歯垢(歯石)が存在しなければ存在しません。
歯周病の原因はすべて歯垢(歯石)にあるのです。

従って、歯周病を予防または改善するためには、まずブラッシングが重要と言うことになります。

歯ブラシの時に使う歯磨剤。何がいいのとよく質問がされます。
味気ない答え方だと、何でもいいですよ。お好みの物を。
先生によっては使わなくてもOKとの回答もあり得ます。

歯磨剤
色々薬効成分をうたっている商品がありますが、口の中にあるのは長くても数分間。
大きな薬効を期待するのは難しい所でしょう。

中でも、消炎効果(炎症をしずめる)を強調する製品が目立ちますが・・・。
腫れをしずめる、出血を抑える、歯茎を引きしめる・・・
仮にその通りの効果があっても、原因の歯垢が残っていて治癒するはずがありません。
歯磨剤を選ぶときはこの点をお忘れなく!
逆にきちんと歯垢が除去できるのなら、使わなくてもいいよ・・ということにもなるのです。

ただ、私は少量ですが使ってます!!
長期間使わないでいると歯の表面がざらざらしやすくなります。
これは、これで良くないのではと思っています。

広島の歯科医がブログに挑戦します。

初めてのブログに挑戦です
普段は馴染みのない、歯科の治療 。
歯周病、歯並び、虫歯、審美歯科等々。
皆さん、疑問に思うこと、判らないこと、悩むこと等多いと思います。
たまに雑誌を見ると、とんでもない内容の歯科の記事に接することがあります。
雑誌は読者の気を引くことが第一目標なのです。
多くの人が知っていること、普通のこと、当たり前のことが記事になることはありません。
世の中には様々な先生がおられます。そんな中意表を突く持論を展開されていると、かえって注目されて記事になることもあるのではないでしょうか。そして、この内容に出版社やライターは責任を取りません。あくまで「○○先生の見解を記事にしただけ」だからです。
これから、歯科の治療に関して一 歯科医の立場から発信してみようと思います。

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プロフィール

shikai7

Author:shikai7
広島市中区の歯科医師です。
大阪大学歯学部卒業後、阪大歯学部付属病院補綴科に12年勤務した後
広島市中区にて開業。
日本補綴歯科学会 専門医・指導医の立場から、
歯並び・歯周病・虫歯・義歯・・審美歯科まで幅広く疑問に答えていこうと思います。
ホームページ: http://www2.plala.or.jp/OTANIshika/

広島市中区大谷歯科クリニックHP   へのリンク・その他
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