洗口剤、マウスウォシュはどうですか?      歯周病  清掃ケア

歯周病の原因は細菌=歯垢、歯石です。これをしっかりと除去するのが最も有効な歯周病対策です。
その基本はブラッシング、そしてスケーリング等により機械的にプラークや歯石を定期的に除去(メンテナンス)することです。


洗口剤
クロルヘキシジンや塩化ベンゼトニウム等の殺菌剤による洗口はポケットの深部までは作用しないとされているものの、歯周病への一定の効果が認められており海外でも評価されています。

実は個人的には、歯周ポケットの中まで効くわけではないということで、これまで積極的には勧めていませんでした

ある患者さん、来院された時点で歯周病が中等度以上進行していました。
その後、熱心にブラッシングに努められ、メンテナンスも継続して来院されているのですが・・
いつまでたっても歯周ポケットの深い部分の改善がみられないで悩んでいました。
セルフケアが十分でない患者さんの症状が改善しないのはなんとも致し方がない面があるのですが、
いつも丁寧にブラッシングされメンテナンスにも来られている患者さんの症状が改善しないのは歯科医としても辛いところです。
 
その後、洗口剤(塩化ベンゼトニウム含有)を併用してみようと処方し始めたところ・・
それまで変化がなかった歯周ポケットが徐々に浅くなりはじめ、歯肉が締まってきたのです。
失われた歯槽骨レベルはそのままですが、歯周ポケットは劇的に浅くなり、その後の歯槽骨のレベルも安定しています。
この効果には正直驚きました。
それからは、同様のケースには処方するようにしているのですが、もちろん効果のある人、あまり変わらない人それぞれおられます。が、ひとつ共通しているのは、多くの患者さんが自身の口腔内の状態の変化を自覚され、継続使用を自ら希望されるということです。(ただし、これは保険治療用の医薬品なので症状のある方、処方の必要のあると認められる方にしか使えません。)

 同等以上の効果が期待されると海外の文献でも述べられているクロルヘキシジン含有の洗口剤が日本でも市販されているのでこれを使うのもよいかもしれません。
一つ残念なのは、その効果が述べられている濃度は0.1~0.2%であるのに対して、日本国内では原液濃度が0.05%以下に規制されており、実際の推奨使用濃度は0.01%程度とのことなので、その効果は限定的かもしれません。

その他の、数多くある洗口剤、マウスウォシュ等、商品名を挙げればきりがありません。
そして、その殺菌成分の種類や濃度等はおそらく低く規制されており、効果はあまり期待できないのではと思っています。

ただし、
歯周病対策の一番の根幹はブラッシング、
そしてスケーリング等により機械的にプラークや歯石を定期的に除去(メンテナンス)することに変わりは有りませんのでお忘れないよう。

「詰め物・かぶせ物は10年もたない? 治療で歯を失い続けてきた日本人 」ヨミドクター(2017/6/2)

「詰め物・かぶせ物は10年もたない? 治療で歯を失い続けてきた日本人 」
                        ヨミドクター(2017/6/2)

この表題をみて、皆さんはどんなことを感じられますか。

まず、表題の前半を読んで、
ご自分の個々の歯の治療時期を思い出し、10年は経過しているけど大丈夫だろうか?
と思われた方もおられるのではないでしょうか。一応この表題には最後に「?」が付けられていますが・・

さて問題は、この表題の後半です。
「 治療で歯を失い続けてきた日本人 」 これには、怒りさえ覚えます。
これは、どう読んでも治療をすることによって歯を失っていますよ・・という意味になりますよね。
ならば、治療をしない方が良いのか? そんなことは無いですよね。

ところが・・
そのまま鵜呑みにしてしまう読者もおられるのです。
過去にも似たような報道があったのでしょう・・・
笑い話のようですが、
実際治療に来られていた患者さんで、「治療をしないほうが歯を失わずに済むという報告がある」と力説する方が、
治療に来られていて
大変困ったことがありました。
この方は、奇特にも治療に来られたからまだ良かったのですが、
「こう書かれていたから、私は治療には行かない」とする方が、少なからずいらっしゃるのではないでしょうか。

実際この記事の中身を読んでいくと 、「治療よりも予防に重点をおきましょう」という至って自然な内容なのですが。
その表題に、こう書いてはいけないでしょう。

読者は、著者は訴えたいことをそのまま表題に表現していると思いがちですが・・・
とくに商業ベースの著作物では、いかにして注意を引いて立ち止まってもらえるかに重点がおかれるようです。
でも、記事の内容に誤解を生ずるような表現はアウトではないでしょうか。
この記事を書いたライターと、その掲載を認めた上司の良識を疑います。


歯の治療は基本的に、自動車の部品のように何年たったら定期的に交換しないといけないという考え方はあまりしません。
ただし定期的なチェックは大切です。

虫歯の原因は歯垢です。
虫歯は、基本的に歯垢の停滞する箇所に出来ます。
虫歯ができた所は、お口の中で基本的に歯垢が停滞しやすい箇所(磨き方、歯並び等・・)であったといえます。
そして、進歩してきたとはいえ人工物の表面、天然歯と人工物の境界の段差とか、
健全な天然歯の表面の平滑さと比較すると、歯垢はやはり停滞しやすくなります。

 虫歯で治療した箇所には、その後より注意してブラッシング等のケアに努められている方は、
 たとえ10年以上経過していても、過度の心配は無用です。
 
 逆に治療済みだからと、従来通りそのまま放置していると数年も待たずに再発するという可能性もない話ではありません。





「被ばく 体内に総量36万ベクレルか 原子力機構事故 毎日新聞 6月8日」   歯科のX線検査の被爆は?

 日本原子力研究開発機構のセンターで放射性物質が飛散して作業員5人が被ばくされたとの報道でした。
この数値は1年間で1.2シーベルトの被爆に相当するとのことで、少なくない量の被爆で今後の経過が心配されます。

 最近よく耳にする放射線に関係する単位、ベクレルグレイシーベルト・・・
簡単にまとめてみました。
ベクレルグレイは物理的な放射線の強さを表すのに対して、
シーベルトは人体への影響の程度を数値化したものです。
放射線の種類によって身体への影響は異なりますし、受ける場所、臓器によってもその影響の程度は異なります。

Bq(ベクレル)    :放射能量(1秒間に崩壊して放射線を放出する原子核の数)
Gy(グレイ)     :吸収線量(1kgの物体に1ジュール吸収される放射線のエネルギー)
Sv(シーベルト)  :線量当量(吸収線量から生物学的影響への換算値)
シーベルト=[各組織のグレイの値×放射線加重係数(放射線の種類による影響の違い)×組織加重係数
            (組織ごとの影響の受けやすさを係数にしたもの)] を全身すべての組織で合計したもの。

 地球上どこでも自然界に元々存在している放射線があり、それを自然放射線と言います。
世界の平均自然放射線は年間2.4mSv(ミリシーベルト、ミリは1000分の1)ですが、地域によって異なり、最も高い所ではブラジル・カラパリ市等の年間10 mSv。
また高度(標高)によっても異なり、高いところほどその値は高くなる傾向にあります。
例えば飛行機で東京 ⇄ ニューヨークを1往復すると0.2mSv被爆するとされています。

例に挙げた、ブラジル等の自然放射線の高い地域でも癌等の発生率が他の地域に比較して高いというデータは無いようです。

  一方、一般の方が医療で被爆を心配されるのは主にレントゲン検査によるものでしょう。
胃バリウム検査 15-25mSv
腹部CT検査   7-8mSv
頭部CT検査   2mSv
胸部X線検診  0.05mSv

歯科関係では・・
歯科CT検査  (1枚)0.1mSv  (通常、何枚か撮ることになりますが・・・)
歯科パノラマX線(1枚)0.01mSv ( パノラマ 縦横15×30㎝程度のフィルム)
歯科デンタルX線(1枚)0.01mSv ( デンタル 縦横3×4㎝程度のフィルム)
最近はデジタル化されているところも多くなっていますが、被曝量は同程度でしょうか。

いずれにしても、歯科の放射線検査による被爆は医科や、自然放射線と比べてもそれほど高くはないようです。
不必要な検査や被爆は勿論避けるべきですが、歯科でのX線検査は有効な情報が得られることが多いので、
過度に心配はされなくても良いかと思います。

抜歯しましょうといわれました。残せませんか?

抜歯せざるを得ないケース。 どんな場合でしょうか・・・
各項目の詳細については、また機会をみて述べていきたいと思っています。

①歯周病の進行による動揺の大きくなった歯
歯を失う最大の原因は歯周病でしょう。
歯周病の進行具合における抜歯の判断基準は各Drによって、まさに様々です。

著名な歯周病の専門の先生の講習で、
「望みのない歯は早期に見切りを付け、残りの歯を徹底して残していきます。」というお話を聞き驚いたことがありました。
専門家が冷静になって考えると、なるほどと納得できるお話なのですが・・・
一本の歯にも愛着を感じられ、残すことを切望されている患者さんにとっては、なかなか受け入れがたい話かもしれません。

大学病院勤務の頃、どこまでの症状の歯が残せるか、なかば挑戦していたような時期がありました・・・
抜歯の是非の判断は、
その歯だけでなく他の残存歯の状況、全身の状態、そして患者さんのモチベーションにより大きく左右されてきます。
まさに、これもケースバイケースです。

一つ確かなのは、歯根の尖端まで歯槽骨が無くなっている場合
どんな方法をもってしても保存は難しいということです。
そして、そのような歯をあえて温存することは、隣在歯の歯槽骨をも失う可能性があるのでお勧めしません。

②歯根の破折
歯周病と並んで抜歯の原因として多いかもしれません。
根っこの先近くまで、縦に割れている場合はまず難しいです。

③虫歯、カリエス
意外かもしれませんが、実はかなり重症な虫歯でも、抜歯せずに治療できる場合が多いです。
歯根の部分に破折等が無く健在であれば、抜歯せずに治療できる可能性は案外高いものです。

④根尖病巣
「根っこ(歯根)の先に大きな膿の袋があり、抜歯です」と言われた。
よくあるケースです。
歯周病で動揺がひどくなったりするとご自身でも納得できるのですが、自覚症状が無い場合等はなおさら承服出来ません。
この根尖病巣、難治性や、腫瘍が原因の場合も中にはあるのですが・・
実際治療してみると、治っていく歯もかなりあります。
御本人の希望もありますが、「治療せずに抜歯・・」はもったいない気がします。

⑤矯正
歯並びが悪くなるのは、顎の大きさに対して、歯の横幅の合計が大きく、並びきれていないことが多いのです。
これを矯正してきれいに並べるためにはスペースがいるので、
抜歯して歯の総数(歯の横幅の合計)を小さくする必要が出てきます。
これを便宜抜歯といいます。

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セラッミックと保険の歯の違いはどうなの?

歯の治療をする場合、前歯か臼歯か、そして欠損部分の大きさや場所によって修復の仕方、材質の適否が違ってきます。
今回は歯をクラウンで被覆する場合に、金属の露出を避ける治療法の1つである前装冠についてお話します。

まず、前装冠とは・・・
 クラウンの構造に用いる材質には色々種類がありますが、
 その中で金属は強度と柔軟性、適合精度の点で依然としてすぐれた性質を持つ材料です。
 ただ、その色調に問題があるので、金属の表面に歯の色の材質をコーティングしたものを前装冠と呼びます。


 コーティングする材質には、プラスチック(硬質レジン)、ハイブリッド(通称)、セラミック等があります。
 その他ジルコニア等もありますが、まだ特殊なのでまたの機会にします。


 それぞれの材質の特徴は・・

硬質レジン 

費用   
 前歯の硬質レジン前装冠は基本的に保険でできます
審美性  
 色調は平面的(単一的?)で、セラミックのような透明感や色調は出せません。
 技工士さんの腕にもよりますが、装着当初はそこそこきれいな仕上がりです。
 着色
  個人差が大きいのですが、早い人は1ヶ月程度でも着色してきます。
  ただ変色とは違い、医院で研磨等によって着色はかなり除去できます。
 変色 
  陶器のお皿は何年たっても変色しません。一方プラスチックのお皿は徐々に色が変わってきますね。
  これと同じです。
  どのくらいで色が変わってきますか?と言う質問をよく受けますが、
  どの時点という区切りはなく、徐々に変色してきます。
強度   
  咬合等の関係もありますが、ある日突然欠けるということはありえます。
  特に咬合力が強くかかる人や、奥歯が欠損したままの方は要注意です。
耐摩耗性
  歯磨き粉を多めに着ける方は要注意です。
  削れて内側の金属が露出する場合があります。
     

セラミック(メタルボンド)

費用
  自費の治療になります。
  1本数万円~。10万円を超える設定をされている所も・・

審美性
  ご自身の歯を鏡で見られたことがあるでしょうか。
  歯の場所によって微妙な色の差があります。同じ1本の歯でも先端部分、根本の部分で色は違います。
  これを再現するには、
  Drの経験と技術、そして担当技工士さんの腕が必要です。
  同じセラミックの歯でも人工物とすぐ判るものと、天然歯と見分けが付かないもの、
  製品の仕上がりの差は小さくありません。

 着色
  着色はほとんどゼロです。これは年数がたっても変わりません。
  セラミックの部分には歯垢もほとんど着きません。
 変色
  これも陶器のお皿でも分かりますように、原則変色はしません。

強度
  かなりの強度があるのですが、破折することもたまにあります。

耐摩耗性
  摩耗することはほとんどありません


ハイブリッド 
 ベースは硬質レジンですが、含有成分の量を調整してその性質がセラミックに近くなったものです。
 (エステニアは商品名です)


費用
  自費の治療になります。
  1本数万円~ セラミックよりも若干安く設定をされていると思います。

審美性
  色調等は硬質レジンとほぼ同等です。
 着色
  硬質レジン程ではありませんが、着色はあります。

 変色
  4~5年程度では大きな変色はないとされています。
  この点が硬質レジンと大きく違うところです。
強度
  硬質レジンよりは強度があるので、臼歯の噛み合わせの部分にも適用可能です。
  咬合力の強くかかる(歯ぎしり等)方の場合、端から一部欠けてきたりされていることはあります。

耐摩耗性
  臼歯に使用した場合、年数が積み重なると咬合面が摩耗してくる場合があります。


例えば・・・
前歯なので、さすがに金属は困るけど着色なんて気にしない。    →硬質レジン

前歯は一番人目に触れるので、できるだけ天然歯に近くしたい。   →セラミック

大臼歯も歯の色にしたいけど、できるだけ安く。              →ハイブリッド

大臼歯も摩耗するのは気になるし、一番良いものにしたい。      →セラミック

 いずれにしても人それぞれですね! お好みで・・・・

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プロフィール

shikai7

Author:shikai7
広島市中区の歯科医師です。
大阪大学歯学部卒業後、阪大歯学部付属病院補綴科に12年勤務した後
広島市中区にて開業。
日本補綴歯科学会 専門医・指導医の立場から、
歯並び・歯周病・虫歯・義歯・・審美歯科まで幅広く疑問に答えていこうと思います。
ホームページ: http://www2.plala.or.jp/OTANIshika/

広島市中区大谷歯科クリニックHP   へのリンク・その他
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